ロボカップSSLっぽい4輪オムニロボットを作る

 はじめに

4輪オムニロボットの制御プログラムのテストのために車体を製作しました。車体のほとんどはABS樹脂をFDM式3Dプリンタで造形したものです。オムニホイールにはScrambleという団体のSSLチームが設計・販売しているオムニホールを用いました。

車輪とモーター

Scrambleのオムニホイールは内歯車が内蔵されています。本来はこれにかみ合うような歯車を用意してモーターの回転を車輪へ伝えるべきなのでしょうがモーターシャフトと車輪をダイレクトに繋ぎたかったのでこの内歯車は使わないことにしました。

代わりに下図のように車輪に空いた5つのねじ穴と合致する位置に通し穴を開けたフランジ(青色)と内径公差オプションとタップ横穴オプションを付けたミスミの金属カラー(灰色)を組み合わせて車輪をシャフトに固定しました。

フランジと金属カラーはセメダイン スーパーXで接着されています。接着面積を広げるためにフランジに凹みを設けています。

次に金属カラーをイモネジでシャフトに固定します。そしてオムニホイールを金属カラーに通したら付属のボルトを一本ずつフランジまで届く長いM2ねじに交換してナットで留めていきます。そんな手法なので整備性は劣悪ですが競技用では無いので。

車体

車体は3Dプリントをしやすくするために3段に分けました。中段の4つのねじ穴にタップを施して上段・下段からねじ止めします。

下段

下段はモーターとエンコーダ、排気ファンなどを搭載します。車輪の外側には直接接触や巻き込みの防止のためのガードがあります。重心を下げたり故意に狂わせたりするための錘を両脇にねじ止めすることも可能です。競技用ではないのでドリブル機構とキック機構はありません。

エンコーダにはMPS製MA732を使用してみました。分解能の等しいamsのエンコーダICと置換してそのまま動いてくれましたが制御時のモーター音が少し変わった気がします。

中段

中段はモーターケーブルを引き回すための領域を確保するスペーサーです。バッテリーやRealsense T265の搭載もできます。下段から来たケーブルを上段に出すためのスリットを設けています。

上段

上段にはいつもの制御基板を搭載します。


組み立て

上・中・下段をねじ止めしたら車体の完成です。3Dプリント品の車体ですが単体で走り回る分には問題なかったです。特にフランジと金属カラーの接合が気になっていましたが急加速・急減速にも耐えてくれました。

車体がABS樹脂でできていると重心の高さが気になりますが、加減速させると実際ものすごく車輪が浮きました。錘をつけると非常に安定したので重心位置が低くて中央にあることはとても大切ですね。


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